30歳の若者に教わる

30歳の若者に教わる 彼、山内健聖くんは、
 30歳の大晦日に逝ってしまった。

 癌に連れていかれてしまった。

 彼を書こう書こうと思いながら、
 ずっと書けないできてしまった。

 彼からのメッセージが届いた。

 彼が最期の病床で書きつづったメッセージが一冊の本になって届き、
 一気に読んだ。

 30歳などという若い彼と特別親しい交友があった訳ではない。

 もちろん歩いても30分かからない距離に産まれ住んでいるので、
 私と彼を結ぶ縁はいくらでも見つけることはできた、後になってみれば。

 私は彼の短か過ぎる人生のほんの数時間を彼と話をしたに過ぎない。

 彼が私の話を聞きたいと訪ねてきてくれたので、
 若者をつかまえて年寄りが自慢話をするように自慢話をした。

 昨年の8月の後半だった。
 その時彼は、効果抜群の新薬のおかげで極めて快調なんだと、
 明るく言っていた。

 その後、間もなく体調を崩してしまい、大晦日に逝ってしまうのだが・・・。

 彼と会ったその夜、彼からメールをもらった。

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 お話が面白すぎてあっという間に時間が過ぎていました。(略)
 仕事の事だけでなく病気の事まで親身になっていただき、
 本当に嬉しかったです。(略)
 古山さんが積み重ねてきた経験ひとつひとつが物凄く楽しそうで、
 物凄く羨ましかったです!
 やっぱりこんな事がやりたいんだなと再確認できました。
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 仕事のこと、地域のこと、家族のこと、彼女のこと、
 幸か不幸か私の透析やら病気つながりのこと、あれやこれや。

 そこに何か希望を抱いてくれたのなら救いだが、
 相当自慢したようで、今更ながら恥ずかしい。

 そう思いながら、届いた彼の本に、自分の足跡を探す。
 私のことが何か書いてないかなぁ。
 あった!この一文は私のことだ。と勝手に断定し、救いとする。

 なんとも恥ずかしい・・・・。
 健聖くん、笑ってる?

 「死」に直面しながら、
 人のために生きることが自分のために生きることになる生き方が、
 自分の目指す生き方なのだと自分の「生き方」を見つめる。

 わずか30歳で逝ってしまった若者に教わる。

 私は、あと3年で定年退職をむかえる。
 そして、今年、私の上の娘が30歳になる。


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