「透析のこと、教えて欲しいんや。」
神戸の友人から悲痛の電話が入る。
「クレアチニンが2~3やねん。で、透析覚悟や、言われたんや。」
「そうなんや、言われたんか。」(つられて関西弁っぽくなる^^;)
タンパクが、塩分が、エネルギーが、なんとかいう薬が、・・・・、
彼の話は脈絡無く、心配事のはしご酒みたいに渡り歩く。
整理できない中途半端な知識に襲われ埋もれて、
どっちを向いても出口どころか次の一歩すら見つからず苦しんでいる。
そう、誰も教えてくれなかった。
何を聞けばよいのかも解らなかった。
ただただ、絶望の渕でバランスを失いかけていた。
私自身も。
「こやまんのブログ読むと、苦しそうやんなぁ。」
「いやいや、それは違うで。勘違いしたらあかんで。」
このブログ「こやまんの透析の日」は、
透析にまつわるあれやこれやを書いているわけで、
透析前の抵抗を書いているわけじゃないから、
透析前の抵抗の参考にはならんで。
それに
「何事もなく無事に透析が済みました」では書き残す意味がないから、
何か起こった出来事だけを書いているから、痛いとか痒いとか辛いとか、
そういう話が多くなっちゃうだけで、日常は80%OKやで。
「そうなんや。塩分はどうした?」
「塩は使わないことにした。何グラムって計って飯作るの無理やん。」
「そうなんや、低タンパクで高エネルギーで塩分控えて・・・・、無理や。」
「せやから、使わんことにしたんや。香辛料と酢だけで食べるんや。」
「タンパクは?」
「気にしんかった。そのかわり絶対量を減らした。腹八分目や。」
「それで、ええんか?」
「どうや解らんけど、2年半で透析やから、良くなかったのかも。」
「2年半かぁ、イヤやなぁ。量減らしたら腹減るやろ?」
「そうやぁ。でも一週間で慣れるで。おかげで体重20キロ減や。」
「20キロってスゴイわなぁ、そうゆうたら痩せとったもんなぁ。」
脈絡なくキリもなく話は続く。
不安でしかたないのが、自分の経験から、手に取るように伝わる。
先月、神戸に遊びにいった時、顔見に寄ってやればよかった・・・・。
「わし、どうしたらええんやろ?」
「抵抗するさ、悔い残さんように抵抗するさ。」
「そうやな、あきらめたらあかんな。」
「そうや、この歳で、もう一回人生考えさせてもらうんだよ。」
「そうか。こやまんの答えは?」
「考え中や。」
「そうか、わかった。また話聞かせて。」
「いつでも。あきらめたらあかんで。」
僕は、
自分はもう少し透析前の抵抗を続けられたんじゃなかったのか、
という思いを残している。