透析2日め。
「透析に行きま~す。」
「え?は~い。」
9時30分、今日はスタートが早い。
今日も病室に看護婦さんがお迎えに来てくれる。
特別待遇な気分だなぁ。
「今日は30分延ばして2時間半ね。」
「はい、お願いします。」
「800gくらい引きましょうかね。」
「そうですか。」
って、800gの是非の判断ができない、知識が無い・・・。
「まだドライウェイトが決まってないんだね。」
「ドライウェイト?」
勉強が足りない・・・・。透析のこと勉強してないし・・・・。
自分の体のことだ。
自分で勉強して、自分で管理できるようにしなくちゃいけないんだ。
前を向いて受け入れていかなくちゃ。
「じゃ、針刺しますね~。」
汗が噴き出す・・・。
「ごめんね、もう1回ね~。」
汗が流れる・・・。
「汗びっしょりね、緊張しちゃう?」
「はい、明日は汗拭きタオル持ってきます・・・。」
今日はイヤホンも自前で、初めからテレビをつけたりする。
ドライウエィトかぁ。
腎臓が機能しないと本来の体重がどのくらいかが解らなくなるらしい。
そこでいろいろな観点から望ましい体重を設定するとのこと、それがドライウェイト。
透析が済んだ時点で体重がドライウェイトになるように透析で水分等を抜いて、体重を調整していくらしい。
透析を受け入れることに抵抗して、透析手前でずっと足踏みしていて、
透析がどういうものなのか、まったく知ろうとしてこなかった。
でも、もう透析は始まってしまったのだ。
透析のこと、総合的に体型的に教えて欲しい。
断片的にいろいろアドバイスしてもらったり聞きかじったりするが、
総合的・体系的でないと知識が偏ったり間違ったりしそうな気がする。
いつしかお昼のテレビ番組が始まった。
お昼を廻ったら急に空腹を感じる。
透析で寝ているだけなのにお腹が減るんだ。
尿意ももよおす。
4時間も、途中で我慢できなくなったらどうするんだろう?
透析の機械から音楽が流れる。
終わりだぁ^^
今日も10分の止血タイム。
看護婦さんが指で押さえ続けていてくれる。
ここがコミュニケーションのしどころか。
「トイレ行きたくなったらどうするの?」
「管を外して行けるよ。その分の時間は延びるけどね。」
「なるほどぉ、4時間ってのは正味4時間必要なんだね。」
「でも、透析してるとオシッコが出なくなってくるから。今はどう?」
「ちゃんと出てると思うけど。」
「家はこの辺?」
「車で10分かな。」
身近な世間話になってくる。
この時間にいろいろ教えてもらおう。
「はい、終了です、お疲れ様でした。起きれる?歩ける?」
「ありがとうございました。歩けると思う。」
迎えの看護婦さんとギクシャクノロノロ歩いて病室に戻る。
「気分悪くない?すぐにご飯食べられる?」
「大丈夫、ご飯食べるよ、お腹空いたし。」
すぐにご飯が運ばれてきて食事にする。
すぐに食べられるんだろうか、平気だろうか?
加減しながら少しづつ食べる。
看護婦さんが、気分悪くないかとか頭痛くないかとか、
さかんに心配してくれるが、それは何故なんだろうか。
何ともないのに、どこか悪いような気持ちになってしまいそうだ。
ちゃんとした知識を持たなくちゃ。