透析3日め。
「痛み止めのシール貼ってみる?」
「はい、ぜひ!」
針を刺す痛みを和らげるための麻酔のシールがあるとのこと。
さっそく2枚もらって、
針を刺すだろう位置を想定してシールを貼る。
針を刺す位置ってどうやって決めるんだろう?
シールの位置が外れたらどうするんだろう?
何時間くらいで効いて、どのくらい持続するんだろう?
色々疑問が湧いてくる。
「シール貼ってきたね。」
「この場所で良かったのかな。」
「ここで、いいよ。」
ホッと胸を撫で降ろす。
さて、どのくらい効くのか、効いてくれ!
が、期待に反して・・・
期待が大きすぎたのか・・・・
そうして、3日目の透析は始まった。
「少し、頭をあげてみる?」
「え?いいの?」
看護婦さんがベッドの頭部を上げてくれる。
「どう?気分悪くない?」
そんなこと言われるものだから気分が悪くなるんじゃないかと、
冷や冷やしながら、加減をしながら・・・。「大丈夫そう。」
「じゃ、今日はこれでいきましょうか。」
「ありがとう。」
20センチくらい上げてもらえたか、テレビが見やすくなった。
「少しくらい動いても大丈夫だからね。」
「いいの?」そうなんだ、動いてもいいんだ。
でも針が刺さった腕を動かす勇気は湧かず、
その腕につられてか、体全体に動けない呪文をかけられたように動けない。
(おまえは動けない、動けない、あぶだかだぶら・・・)